小渓流の個性溢れるヤマメたち

梅雨の秋田にプライベート遠征(写真と文◎田崎 翔)

田崎 翔(たさきしょう) ルアー&フライメーカーの老舗・ティムコで製品開発を担当。サクラマス、ヤマメ、秋鱒を中心に、全国を駆け巡っている熱血アングラー。
田崎 翔(たさきしょう)
ルアー&フライメーカーの老舗・ティムコで製品開発を担当。サクラマス、ヤマメ、秋鱒を中心に、全国を駆け巡っている熱血アングラー。

6月下旬、友人と2泊3日の予定で秋田の小渓流に出かけた。
正直な話、今年はサクラマス釣りに熱中しすぎて、渓流に行くのは実に久しぶりだった。おかげさまで10尾を超す釣果に恵まれたのだが、その模様は年末に発売予定の本誌特集号『サクラマス2024』に期待していただきたい。
今回は、100パーセントのプライベート釣行で、ヤマメが主となる小渓流群をのんびり歩き回ながら、純粋に釣りを楽しむつもりだった。もちろん、渓流ザクラが釣れるかも……という淡い下心を抱いていたのは事実だが……。
だが、その期待は、いざ川につくとあっさりと諦めることに。川は全体的に渇水で、とても渓流ザクラは狙える状況にはなかった。昨今の夏は、ホントに大増水か渇水のどちらかで、嫌になってしまう。集中豪雨ではなく、しとしと雨が懐かしいのは僕だけではないはずだ。

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初日に入った細流は、雄物川水系のとある小渓流。沢と呼ぶにふさわしい細流だ。この川の特徴は、シルキーな体色のヤマメが釣れること。まさに絹を身に纏ったかのような、薄い白色系の魚体が印象的である。
渇水ながらも、深みに魚が集中していたため、ファストシンキングミノー(ナビア50FS)を主体に釣り上がっていく。すると型こそ良くなかったものの、シルキーな魚体に様々な模様のパーマークをあしらったヤマメたちがヒットし、心の底から癒された。仕事でもなく、取材でもなく、プライベートな釣行も時にはよいものだ。

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翌日は足を延ばして米代川水系の開拓へ。いくつかの河川で外した後に、最後に水が極少ない河川に行くとこれが大当たり。渇水で魚はナーバスなものの、反面ルアーに対する反応は抜群にいい。20㎝弱がメインなものの、どこかに大きな魚がいるのではないかとどんどん進むと、魚止めで25㎝の良いヤマメがヒットした。
渇水の影響か、すでに9月のような色の魚体ばかりで、今季は全体的に季節の進行が早いのだろうか。秋を先取りしたような不思議な感じがした。

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最終日は、再びシルキーなヤマメが釣れる川へ。その後釣行最後の河川へと転戦した。
前日と同じく渇水なので、全体的に魚はナーバスなものの、ルアーへにはスレていないようで、果敢にアタックしてくれる。
途中息を呑むほど美しい絶品なヤマメをキャッチし、最後に黒点のない無斑系の一尾で釣行を締めくくることとなった。

今回の釣行のように、本誌をはじめとした雑誌にも、また自社のSNSなどにも掲載しない釣行が、僕には意外とある。そんな釣行を時々このホームページで紹介してみることにする。

【使用タックル】
●ロッド=ティムコ パスプルーバーPRV52SL-2 “Crisp Twitcher”、 PRV411SL-4 “Balsa Connect”、PRV59SML-2 “Rapture Trigger”
●リール=シマノ・ヴァンキッシュC2000SHG
●ライン=PE0.6号
●リーダー=フロロ5lb
●ルアー=ティムコ・ナビア50FS、ラウド45S、ステイゴールド極薄50S他

ナビア50FS

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