そろそろ今季も幕を閉じる頃、釣り場ではあちこちに秋を感じさせるものが、点在していた。
ナナカマドはバラ科の落葉高木で、比較的標高の高い場所でよく見かける。秋になると紅い実が美しい。北欧などでは、魔除けにされているとか。
アケビは、茎が蔓になって巻き付く落葉低木で、藪漕ぎの時には少々邪魔な存在。でも、秋になると紫色の大きな果実を垂らし、その存在感を主張する。この実が割れる頃に、大きな鱒が渓流の浅場に顔を出すという釣り師もいる。
栗は、もう少し秋が深まってからと思う人もいるかもしれないが、9月の渓流を歩いていると落下して、割れた実をよく目にする。食したことはないが、試した人の話では、けっこう渋かったそうだ。
秋と言えばススキ。イネ科の植物で、秋の七草にもあげられている。動物の尾に似ていることから「尾花」という別名もあるが、風に揺られるススキを見ていると、もうすぐ禁漁だなと、しみじみ思う。
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